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サイゼリヤ1号店の思い出
サイゼリヤといえば、今や日本中で知らない人はおそらくいない、イタリア料理中心のファミリーレストランです。しかし、その1号店が市川市・本八幡駅前の商店街にあることは、ほとんど誰も知らないでしょう。このお店、今は「教育記念館」ということになっていて営業はしておらず、お店は残っていますが中に入ることはできません。

実はわたくし、このお店の常連でした。

学生の頃、友達の「さとちゃん」こと佐藤クンと二人でこのお店で晩ご飯を食べるのが、毎週木曜日の夜の習わしでした。

いまでこそ、サイゼリヤといえば30~40席あるのが普通の大型ファミリーレストランですが、僕らが通ったこのお店は4席しかない小さな店で、平日の夜ということもあってか、席が埋まっていることもほとんどない、静かで落ち着いたお店でした。

一階は八百屋さんが入っているビルの、細い階段を上がって二階。階段を登り切って左手に入り口
店に入るとすぐにレジがあって、そのまま2~3歩歩けばすぐに厨房の入り口。
そのまま左に折れると左手に2人席がひとつ。さらに、厨房に沿って右にL字に曲がった店内の、窓際に4人席が3つ。
それだけ。

お店には、細い縁の丸いメガネをかけた男の店員さんが一人。とても物腰の柔らかい人で、余計なおしゃべりはしませんが、質問には笑顔で答えてくれて、必要なことはしっかりこなす、そんな人でした。僕らは常連で、食べるメニューもほぼ決まっていたので(僕はビーフシチューとフォッカチオ、さとちゃんは焼き肉ハンバーグ盛り合わせとライス)、その店員さんは僕らが行くと「いつものですね」とにっこり笑いました。いつも座っている窓際の4人席がふさがっているときは、「・・・もうしわけないです・・・2人席でもよろしいですか?」と、とてもすまなそうに聞いてくれました。たまに違うメニューを注文すると「・・・え?今日は冒険ですか?」とか驚いてくれたりもして。そして、二人で一本のワインを開けながらーーワインだけは毎回変えていました。結局僕らは、当時サイゼリヤにあったすべての銘柄を飲み尽くすことになりましたが、一本だけあったマグナムボトルだけは、ついに飲むことが出来ませんでしたーー閉店時間まで、僕らの共通の趣味であった音楽の話や楽器の話をしながら過ごしました。この習慣は、僕らが大学を卒業するまで続きました。やがてさとちゃんは仕事でカナダに移住。僕は東京に残り仕事に追われ、そして僕らはこのお店のことも忘れていました。

このお店がサイゼリヤの1号店だったということを知ったのは、このお店が「教育記念館」として保存された、今の状態になってからでした。そんなに由緒ある店だったんだ、と驚くとともに、ここにはもう入れないのか、という寂しい気持ちにもなりました。

今でもサイゼリヤにはよく行きますが、そこで食事するたびに、僕はあの光景とあの時の気持ちを思い出します。それは、とても贅沢で、心から満たされていた瞬間でした。そして、できることならもう一度あの席で、ビーフシチューとフォッカチオと、そしてワインを開けたいと思うのです。
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