の:のれん

のれんは磨いて初めて値打ちが出る。
 -松田 伊三雄



のりさん、ごめんね。「次は『の』だ!」って期待してたのに、最初にぱっとおもいついたのは、なぜか暖簾だったのよね。

ということで、のれん。暖簾。お店の入り口等にぶら下がっているところの布。温泉の入り口にぶら下がっている場合、赤地に「女」の文字が書かれているそれは、単なる布であるにも関わらず、入るどころか触れることさえ許されない強固な防衛力を持つのれん。

「のれんわけ」なんていうと、店の看板を引き継ぐこと。あ、引き継ぐってのは違うのか。同じ屋号で店を出すこと、ですかね。「支店・支社」でもないもんね。のれんわけの場合は完全に独立採算でしょ?

しかし、そう考えるときわめて人情味のある制度ですね、のれんわけ。店の看板(つまり信用)は使わせてやる。後は勝手にやりなさい、ってことでしょ。させたこともしたこともないから、本当はどうなのかは知らないけど。で、ここから騒動が起きて分裂しちゃったりすることもある、みたいな。ちなみに、冒頭の言葉の松田 伊三雄(まつだ いさお)氏は、元三越の社長です。

「のれんをくぐる」などというと、飲み屋に行くこと。僕も一介のサラリーマンで、同僚とのれんをくぐることだってあるけど、なんかこう、「のれんをくぐる」っていう言葉が持つものとは、オレたちのそれは違うような気がするんだよなぁ。「のれんをくぐる」っていうと、座敷にあぐら、またはカウンター。んで、ビールと焼き鳥。で、仕事の愚痴。まさに「サザエさん」の世界なイメージ。そういう飲み会をしたことがないわけではないけど、僕が同僚と飲みにいったそれが「のれんをくぐった」のかと言われると、よくわかんないけど、なんか違うんじゃないかと思うんだよね。いや、まさに「のれんをくぐった」んだけどね、本当は。なんだけど、やっぱりなんか違う気がする。なんだろうなぁ、これは。

ただ、実際に(物理的な意味で)「のれんをくぐる」感じってのは、いいもんですよね。手でぱっとひらいて、すっとくぐる。かすかな布の香りと、体にあたる柔らかい感触。ちょっと上質な感じがします。布なので閉塞感・圧迫感もないし。時折吹く風になびいたりするのもまた美しく。強い風だとけっこうちゃんとはらんで受け流してくれたりもする。たいしたもんだ。

改めて見直してみたいもんですね、のれん。自宅の玄関にかけてる人とかも結構いそう。あとはリビングと台所の仕切りとかね。味噌汁運んできて、のれんの隅っこがぽちゃっと漬かっちゃって「あぁ~~~!」みたいなの。あるでしょ。だってあったもん、オレ。カレーとか運んだりした日にゃ、もう大変。のれんがカレーを撫でたりなんかして、あぁぁぁ~~~~~~~!!!

のれん、ダメじゃん(--;)
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