誰もいない夜

「・・・ねぇ、うちに来ない?今夜は誰もいないの」

ゆみのその一言は、まだ高校生のまさおの想像を膨らませるには十分だった。あぁ、ついにその日が来たのだ。いつもよりゆっくり進む昼の時間にイライラしながら、しかし、そのイライラはあまりにも甘く、あまりにも魅惑的だった。

やがて夜が来て、まさおはその場所に立った。永遠とも思える昼を過ごしたまさおは、ドアベルを押す指がかすかに震えるのを感じ、わざと大きなため息をついてみたりもした。

3回目のドアベルを押したまさおは、その瞬間を少し焦りすぎていたのかもしれない。家の中から何も返事が返ってこないのに業を煮やしドアノブに手をかけると、ドアは意外にも何の抵抗もなくスルリと開いた。

同じ歳とは思えない大人っぽさを持っていたゆみなら、こういう演出もするのかもしれない。つい微笑んでしまいそうになるのを抑えながら、まさおはリビングへとつながる廊下を進んだ。

リビングは灯りが消されていて、静まり返っていた。それは、これからの大きな出来事を予兆させるには十分だった。まさおは部屋の壁を手さぐりで探し、小さなスイッチを見つけた。しかし、灯りがついても、テーブルと様々な家具がまさおを見つめ返すだけで、部屋の中は静まり返ったままだった。あたりを見回したまさおは、やがてテーブルの上に小さな紙切れが置いてあるのを見つけた。



「お掃除しておいてね。 ゆみ」
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No title

先生!また脱走ですか!
締め切り過ぎているんですよ!まったくもう!
輪転機止めてるんですから、早く原稿を上げてください。
また原稿落としたら、私が編集長に怒られるんですから。
あっと、今回は川柳とか小細工でごまかさないでくださいよ。

No title

探さないでください。 ニシオカ
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