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上海(3)
昼の仕事もありましたし、その日は上海最後の夜で結構遅くまで飲んでいたので、ちょっと疲れていました。僕は最後のタバコに火をつけ・・・ようとして、灰皿がないのに気付きました。昨日までは確かにあった灰皿がなくなってる。多分、「頼んでもいないベッドメーク」の時に間違えたんでしょう。仕方ないのでフロントに電話して、灰皿(Ashtray)を持ってきてくれるように、英語で頼みました。"Sure. No problem!"と小気味いい答えが返ってきて、これで一安心。数分後、若い男性の客室係が「手ぶらで」やってきました。・・・あれ?灰皿は?僕が英語で尋ねると、彼はまったく英語がわからない模様。ちょっとおどおどした感じで、部屋に入れてくれというジェスチャーをします。あぁ、いいよ。もちろん。彼は部屋に入り、カウンターに置いてあったアイスボックスを持って出て行きました。

・・・アイスボックス?そんなもん、どうするんだろう?

また数分後、彼は、氷が一杯に入ったアイスボックスを持って帰ってきました。「はい、どうぞ」

・・・いや、「アイス」じゃなくて、「アッシュ」。灰皿が欲しいのよ、僕は。

英語でそのように伝えますが、彼にはまったく伝わりません。こんな時はジェスチャーしかない。僕は枕元に置いてあったタバコを取り、タバコを吸う真似をし、左手で作った大きい輪の中で灰を消す真似をし、さらにその輪を右手で指さし、「これ、これ!」と言いました。

すると彼は、一言ぽつりと

「・・・Dial 1」

・・・は???なんだそれ?

あまりに意外な答えに僕が言葉を失っていると、彼は突然受話器を取って電話をかけ始めます。

ここで気づきました。僕が必死に指さしていたそこには・・・左手で作った「見えない灰皿」の向こうには、電話が置いてあったのです。つまり彼は、僕がなにかを言いながら、必死で電話を指さしているように見えたのでしょう。そこまでの、見せつけたタバコの箱とか、その後のタバコを吸うジェスチャーとか、聞こえていたはずの「Smoke」という言葉とかはすべて無視で、僕が電話のかけ方を知らないと思って、「(フロントと話をするなら)1番を押せ」と言ったのです。

やがて、彼が受話器を僕に渡します。僕は受話器を受け取って、電話の向こうの係と話をします。この係なら、さっきも話をしたし(同じ人かどうかはわからないけど)、英語が通じるだろう。

さっきも電話したんですけど、灰皿がないんですよ。僕はタバコが吸いたいんです。

電話の向こうの係が言います。

「・・・what?」

いや、whatじゃなくて、灰皿!タバコが吸いたいんです!(I just want to smoke!)タバコには灰皿が必要でしょ?(You need ashtray for cigarette, right?)灰皿が欲しいんですよ!持ってきてほしいんです!

すると、cigaretteが聞き取れたのか、

「・・・We're not selling cigarette(ウチではタバコは売ってません)」

もう、完全に志村けんの「とんでもない、あたしゃ神様だよ」状態。話のそれ方といい、ボケ方といい、見事。本気で笑いそうになりましたが、そこは踏みとどまって、

タバコは持ってるんだってば!!灰皿がないの!

すると、3秒くらいの間が空いて

「・・・I'm Chinese. I can't speak English.」

ここで、頭の中でゴング。カ~~ン!こりゃダメだ・・・。

僕は力なく「・・・OK. Forget it.」とだけ言って電話を切り、そばで立っていた客室係の子にも「もういいよ。ありがとね」と言って帰ってもらいました。

後で考えれば、ここは中国なんだから漢字で「煙草」とか「灰皿」とか書いて伝えれば良かったんですよ。そっちの方が通じたはず。それに、なんだったら携帯から翻訳サイトにつないでもよかった。いくらでも解決策があったはずなんですが、あの時点では僕の方も軽いパニックになっていて・・・今までこんなに英語が通じなかったことがないので・・・その方法が思いつかなかったんですね。

でもね、タバコの箱も見せたんです。吸う真似もしたんです。汗かきながら。必死で。大体、君を呼んだのも電話で呼んだのよ。電話のかけ方じゃないことくらい、分かるでしょ。なんかよくわかんないけど、タバコを持って騒いで怒ってたら、それは大体灰皿なんじゃないのかね?ちょっと僕の立場を考えてくれれば、わかりそうなんだけどなぁ。

ここまでに関わった人は3人。最初に電話を受けた人、部屋に来た若い男の子、最後に電話を受けた人。この中で、誰ひとりとして灰皿に気付く人がいないというのがすごい。本気で気付いてないんです。気付こうともしない。

チェックアウトの日、フロントの人が「名刺をくれ」と言う。「なんで?」と聞いたら、「定期的にホテルの情報を送るから」というので、「そんなもん、いるか!」と心の中で思いながら「I don't need it.」と言って帰りました。
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コメント
コメント
No title
すばらしい。
うちのバンドの中でのオレのポジションに近い。(笑)
2011/11/28(月) 11:20:45 | URL | としちゃん #ZSPEfpMw [ 編集 ]
No title
そんなポジションなのか?
少し考え直したほうがいいぞ(笑)
2011/11/28(月) 11:35:35 | URL | Takayuki Nishioka #- [ 編集 ]
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