僕の音楽遍歴(3)

さて、エレクトーンの練習は相変わらず全然しないまま、小学5年生になったとき、テレビから流れてきた音楽に、僕は衝撃を受けました。聴いたことのない突き抜けるような高音。無機質で最高に心地よいリズム、駆け抜けるようなシーケンスフレーズ。

これは何だ!?!?

それはYMO-イエロー・マジック・オーケストラの「Rydeen」でした。

当時はインターネットなどなく、情報はテレビや雑誌から手にいれるしかありませんでした。テレビでは滅多に演奏しなかったYMOは、僕にとって謎のグループでした。「3人しかいないのにオーケストラ?」「オーケストラなのにこの音?」「一体なんなの!?この人たちとこの音楽は!?」

FMラジオでYMOの特集をやっていたのを聴いたときも、そのまったく新しい音とリズムに、僕は夢中になりました。その頃、誕生日に母にねだって買ってもらったのが、初めて自分から欲しいと思って買ったレコード(「X∞MULTIPLIES」)でした。僕はそのレコードを、来る日も来る日も聴き続けました。なんてかっこいいんだろう!なんてすごいんだろう!僕は完全にシンセサイザーとコンピューターミュージックのとりこでした。

そう。音楽の喜びを知ったのです。

エレクトーンでも弾きました。こんなとき、エレクトーンはYMOを演奏するには(高価なシンセサイザーを手にいれられない僕には)ぴったりでした。

そして、「あぁ、シンセが欲しい」「あんなかっこいい音楽を演奏したい。作りたい」。しまいには「どうして僕はYMOじゃないんだろう」とまで思ったものです。

とにかく、僕はYMOのとりこでした。音楽とはYMOだったのです。

しかし、僕にとってすべてであったYMOも、当然のことながら永遠ではありませんでした。
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